今回は、BVEATSの代表として現在都内11店舗を展開されている芦名氏をお招きし、マーケティングやセールス活動の在り方についてディスカッションの機会を頂きました。
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芦名 勇舗 氏(あしな ゆうすけ)の経歴
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身長185センチ、体重100キロ
2004年、慶應義塾高校入学後、アメリカンフットボール部にて16歳で全国制覇を果たし、17歳でU-19日本代表選手に当時最年少で選出され、18歳では主将を務めた。慶應義塾大学4年生の時には、約150人の部員をまとめる主将に選出。大学卒業後、電通に入社。コピーライターとして活躍。代表作に「常識をくつがえせ。」(コカ・コーラゼロ×『ミッション・インポッシブル』)等。2012年、23歳の時にプルデンシャル生命に営業として転職。営業未経験ながら、約3500人の営業マンの中で全国2位に輝き、月収2400万円を稼ぐ。25歳の時には史上最年少で営業所長に抜擢。営業所長としても全国2位に輝いた。2015年、同社を退職。俳優を志し単身渡米。そこで演劇・映画界の巨匠、ロバート・アラン・アッカーマン氏に「You have a talent.君は持ってる。)」と言わしめ、ハリウッドの舞台劇『BLOOD』で俳優デビューを果たした。2017年、帰国し、芦名表参道(株)を設立。事業企画やビジネスコンサルティングをスタート。2018年、「脈を上げろ。」のコンセプトの元、BVEATSを創業。2019年、パーソナルオーダースーツGentleman’s Clubを創業。2020年、アパレル事業をスタート。2021年、フィットネスの自立をテーマに代官山にGYM & SAUNAを創業。
営業活動における交渉術について
商談は準備のスポーツ。営業で大事なことは「REAOSNING」と「約束」です。
「REAOSNING」とは、「何故かを明確にする」ということです。何故自分は営業をしているのか、この商品が何故いいのかを理解することが大事です。これがない営業は、どうしても申し訳なさそうだったり、自信がなさそうだったりするんです。
そして商談では、「約束」が大事です。この商談のゴールを約束するんです。「A:お断りいただく」「B:ご契約いただく」というように。そして99%の確率であなたはAになると思います。なのでお断りいただいて結構です。ですが、万が一Bになってしまった場合のみ、ご契約いただければ結構です、と伝えるんです。そうすると、お客様は「あ、断ってもいいんだ」と思ってそこで初めてしっかりと話を聞く姿勢になるんです。
福山:
芦名さんはまず商談の席につく前に、こんにちは!と大きな声で挨拶されます。これも相手に聞きの姿勢を作ってもらうという点では、論理を超えたものがあると感じています。私も芦名さんからインストールさせてもらい、10年以上続けています。
これまでの人生で何が自分を突き動かしてきたのか?
高校に入学するまでは親の影響は大きかったですね。自分の道筋をたててもらい、慶應義塾高校に入学する事が出来ました。しかし、慶應に入学した事で心境が大きく変化しました。周りには経済的に恵まれた生徒が多く、大きなヒエラルキーを感じました。「自分の実力で這い上がるしかない」と。自分が他より優れていたい。しかしどうしても覆せない。どうしたら覆せるんだろう。と、そんな環境が私には多くありました。新卒で電通に入社しましたが、そこでも私より優秀な方ばかりでした。どうしたらこの方達に勝てるのか、この方達より素敵になれるのか。そんな事ばかりを考えながら仕事をしていました。
福山:芦名さんとこれまでも一緒にセミナーを行ってきましたが、中でも印象深かったのが、「高いレベルで比較をする」という考え方でした。慶應・電通と経験されてきた中で高いレベルの人間と比較をする事で個性を磨いてこられてきた。ここは重要なポイントだと感じています。
芦名氏:長所の見つけ方、という話につながる部分だと思います。短所って自分ですぐ気が付きますよね。何故なら自分が苦手な事だから。ネガティブな部分だからです。長所って自分では見つけられないんです。「足が速い」と一口に言っても、「地元で速い」のか「オリンピックで速い」のか、比べる相手のレベルによって自分の希少性は大きく変わります。つまり、長所というのは、レベルの高い人と比べないと見えてこないんです。
私が電通に入社して、同期には自分より優秀な方ばかりでした。頭がいいわけです。そんな中、私が上司から唯一褒められた点があり、それが「お前は分からないことを、分からないってちゃんと言えるよな」ということでした。でもそんなこと、私からすると当たり前でした。新入社員で業界用語の分からない私は、隣で先輩の話を聞いて深くうなづく同期に「どういう意味?」と聞くと、「あ、いや、まあ、なんだろうね」と。頭のよさそうな人って分かってるフリしてる人は多いのかな、と思った瞬間でした。つまり、長所なんてものは、自分では当たり前だと思っているこの中にあるので、他人と比べないと分かりようがないんです。なのでどんどん他人と比べてみてください。
一番最高だった瞬間と一番の挫折とは?
記憶にある中で一番古くてパッと浮かぶのは、高校受験で早稲田実業に受かった時ですかね。挫折は一回だけ。電通時代に当時の彼女に振られた時です。笑
挫折の考え方
挫折って言えば周囲が慰めてくれる環境に身を置いてるんじゃないですかね。例えば、商談が決まりそうだったけど、直前で流れた。その商談次第で来年の昇格がかかっていたとします。それを挫折と捉えるかどうかかな。と思います。私は単純に、準備不足だったな、どこが重要だったんだろう。次はどうすればいいんだろう。としか考えません。
そして挫折は進歩する上で、ただの邪魔な解釈だと思います。私は15歳の時に両親を亡くしました。周囲の方が心配してくれたり、気にかけてくれました。「挫折しました」と言って、みんなの涙を貰うことはできるでしょう。でもそんなことをしても、私がやることは変わりません。心配されるのが嫌で、私はそれから約10年、両親を亡くしたことを他人に打ち明けられずにいました。
お金の使い方について
自分がネガティブにならない為にお金を使いますね。ポジティブは誰でも本来自分で作り出せるんですよ。なので私なら移動とか事務仕事とか、私が苦手なことにお金を使いますかね。それだけで自分の人生成功なんじゃないかって思いますね。
経営の考え方について
起業する上での着想ですか?実は「これをやったらいい」みたいな模範行動はないんですよ。自分が何を経験して、何を感じたか次第です。
BVEATSであれば、たまたま表参道のカフェで女性が話ていた「OB訪問で先輩が奢ってくれなくてムカついた」という話や、銀行預金の預金準備率という話とか、アメフト時代に経験したトレーニングの課題点といった経験しようとして経験したものではなく、予期せぬ経験がアイデアになるんです。なので色々経験すること、感じることが大事かもしれないですね。
出来る営業・出来ない営業の違いとは?
マーケティングの話からしましょう。マーケティング(marketing)とは市場(market)をingさせる事です。つまり市場化、市場流通です。
マーケティングのステップには「アプローチ」「プレゼン」「サクセス」の3段階あります。「アプローチ」には「知らせること」「誘うこと」があって、つまり自分が営業マンであることや扱う商品を知らせないといけないですよね。そしてあとは誘わないといけないですよね。なので、売れない営業というのはだいたいがその逆です。「何の仕事が知られていない」「誘えない」ということです。
クロージングで自分の話が長くなってしまう。改善するには?
お客様をリスペクトする気持ちを持つ事が重要ですね。決めるのはお客様です。自分が決め手やる、というのは失礼です。しっかりとお客様にボールを持ってもらって、あとは決断を待つ。というスタンスですね。
ゴールセッティングの方法
まずはじめに感情目標から決めます。「自分がどうなりたいのか」ですね。〇〇検定◯級のような目標でなく、こんな人間になりたい。こんな経済状況になりたい。こんな事が出来る人間になりたい。とイメージします。すると、それを実現する為に必要なものが見えてくるので、そこから逆算します。
躊躇してしまいがちな場面での決断力とは?
私はこれまで即断即決型でしたが、今は「どんぶらこ」と流れに身を任せる生き方をしています。ふと周りに恵まれたタイミングで動き出すみたいな感覚です。躊躇するなら、どんぶらこと流れてみる。そんな感覚も大事かなと思います。
リファラル採用をするためには
基本的にリファラル採用は「職場の紹介」ですよね。つまりメンバーが楽しめる環境を作れているかが大事だと思います。ありがちなのは自分が思う成功と、メンバーが思う成功に乖離があるケースです。給料が上がることが幸せだと思っていたら、実は早く帰れる自由が幸せだったり。しっかりと相手を知り、何がその方にとって成功なのか。そこを理解して日々関係構築をする事が重要なんじゃないですかね。
芦名様、この度は貴重なお時間を頂き誠にありがとうございました!