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マーケティングイネーブルメント(Marketing Enablement)とは?

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今回は、米国のマーケターを中心に注目されているマーケティングイネーブルメント(Marketing Enablement)について解説していきます。

マーケティングイネーブルメントとは何か、なぜ必要なのか、セールスイネーブルメント(Sales Enablement)とはどういった関連性があるのかなどを中心に、マーケター、営業マン、経営者の方など幅広い層の方々にとって役立つような内容をまとめました。

それではいきましょう!

マーケティングネーブルメント(Marketing Enablement)とは

近年、セールスイネーブルメント、デベロッパーイネーブルメントなど、さまざまな分野で「〜イネーブルメント」という概念が注目を集めています。

このイネーブルメント(Enablement)は英語の言葉で、その元となっているEnableという言葉が語源になっています。Enableは、〜を可能にする、〜容易にするという意味の動詞です。そして、Enablementの後半の(ment)という語尾は、〜のプロセス、〜する行為という意味です。

つまり、イネーブルメントとは、〜を可能にするプロセス、〜を容易にするプロセスという意味になります。

そして、セールスイネーブルメントはセールス(営業)をより容易にするプロセス、デベロッパーイネーブルメントは研究開発(特にアプリ開発、システム開発など)を容易にするプロセスなのです。

同様に、今回のテーマであるマーケティングイネーブルメントは、マーケティングをより容易にするプロセスです。マーケティングの無駄をなくし、効率を高めることで、会社の売上に貢献することが目的となります。

なぜマーケティングイネーブルメントが必要なのか

マーケティングイネーブルメントが注目を浴びている原因の一つとして、マーケティングと営業部門の目的と目標の乖離が挙げられます。

例えば、LinkedInが行なった調査では、90%、つまりほとんどの営業マンが、マーケティング部門と営業部門の間で戦略、事業プロセス、文化などの面で乖離があり、会社の売り上げにマイナスの影響を与えていると回答しています。

また、Seismeticの調査によれば、マーケターが作成した資料の8割近くが未使用で終わっています。

例えば、営業マンはマーケティング部が作成した資料が、実際の営業のプロセスに組み込めないと判断して使用しなかったり、現在の顧客のニーズにマッチしていないと判断して使用を見送るケースが多いようです。

これではマーケターの仕事の多くが無駄だと言われているようなものです。

ではマーケティングが必要ないのかと言われれば、全くそんなことはありません。

マーケティングは、顧客に商品やサービスを売る流れの最上流にあたります。

なので、どういった製品やサービスが市場で求められているのかの市場調査であったり、自社製品やサービスをどのようにして知ってもらうかという認知の段階でも重要な役割を果たしています。

そこで、マーケティング部門の効率化、とりわけ営業部門との連携強化を通じて、売上を伸ばそうというのがマーケティングイネーブルメントの基本コンセプトと言えます。

マーケティングイネーブルメントの内容

マーケティングイネーブルメントとはなんなのか、なぜ必要なのかを理解していただいたところで、マーケティングイネーブルメントの具体的な内容について入っていきたいと思います。

マーケティングイネーブルメントには、以下のようなものが挙げられます。

  • セールス部門(営業部)との連携強化
  • 効率的かつ高水準な人材育成
  • データに基づいた効率の高いマーケティングの仕組み、戦略の策定

一つずつ解説します。

セールス部門との連携強化

セールスイネーブルメントで最も重要視されているのが、このセールス部門との連携強化です。先ほど説明したように、マーケターが作成した資料のほとんどは営業マンに活用されていません。

この背景には、マーケティング部門と営業部門の目的と目標の乖離や、コミュニケーション不足などが挙げられます。

そういった課題の解決のために、マーケティング部門とセールス部門の歩調を合わせるための定例ミーティングや、積極的な情報共有が必要でしょう。

効率的かつ高水準な人材育成

効率的な組織には、人材も大変重要です。

マーケターひとりひとりへの依存を低下し、効果的なマーケティングのノウハウを共有することで、特定の人材に依存しない組織と、全員が高パフォーマンスを発揮する組織を実現する事ができます。

そのためには、誰が、なぜ効果的なマーケティングを行えているのかということを分析し、体系化すると同時に、それを効果的に教育していく必要があります。

より具体的には、新人研修の短い時間の中で、実践的に働けるマーケターを育成する必要がありますし、マーケティングの第一線で働くマーケターに対しても最新のトレンドやノウハウなどを共有し、実践してもらう必要があります。

データに基づいた効率の高いマーケティングの仕組み、戦略の策定

効率的にマーケティングを展開するためには、データによる裏付けが重要です。

データを用いることで、潜在顧客に対して最も効果的なマーケティングを展開できると同時に、人の勘に基づく属人的なマーケティングから科学的なマーケティングへと移行する事ができます。

属人性を排除することは、上記の効果的かつ高水準な人材育成にも重要な要素と言えます。

データによる裏付けのためには、情報収集、情報の整理、分析、そして保管などが必要です。マーケティングイネーブルメントはその情報収集から補完までの流れを整理し、データをアクセスしやすい状態に置いておくことも当てはまります。

セールスイネーブルメントとの関連性

セールスイネーブルメント(Sales Enablement)も、マーケティングイネーブルメント同様、セールス(営業)をより容易かつ効率的にするという概念です。

セールスイネーブルメントにおいても、マーケティング部門との連携を強化するという点が焦点の一つとなっています。したがって、セールスイネーブルメントとマーケティングイネーブルメントは親和性が高い概念となっています。

より詳しく知りたい方は、以下のページにて詳しく解説しているのでぜひご参照ください。

マーケティングオプスとの関連性

マーケティングオプス(Marketing Ops/Operations)とは、マーケティングチームのマネジメントや、オペレーション設計、そしてマーケティングツールや顧客データの運用などを行うチーム、あるいは組織のことです。

マーケティングオプスが現場の指揮をとる組織だとすると、マーケティングイネーブルメントはマーケティングのプロセスを円滑化し、組織の効率化を図る施策を表現する事ができます。どちらもマーケティング部門の効率化を図ることを目的とする概念であり、こちらも互いに親和性が高いと言えます。

まとめ

今回は、マーケティングイネーブルメントについて解説しました

マーケティングは、顧客に商品やサービスを売る流れの最上流にあたり、会社の売り上げに大きく貢献する部門です。

つまり、マーケティング部門の効率化は、会社の売り上げに非常に大きな影響を与えることは、間違いないと言えるでしょう。

特に日本企業は海外企業と比べてマーケティングが下手だと言われる事があります。グローバル化の時代と言われる現代において、企業がマーケティングイネーブルメントを行なっていくことは重要なのではないでしょうか。

参考文献

https://dictionary.cambridge.org/ja/dictionary/english/enable

https://www.collinsdictionary.com/dictionary/english/ment

https://medium.com/ama-marketing-news/what-s-marketing-enablement-and-why-do-you-need-it-2bee0cafe912

https://seismic.com/enablement-explainers/what-is-marketing-enablement/

https://www.foundcoo.com/blog/have-you-heard-about-marketing-enablement